黒瀬ダムの山の上の橋、あれは何?

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フリーペーパーHoo-JA! 2022年9月10日号掲載

 

 

ずいぶん以前に読者の方から頂いた質問ですが、調べてみました。投稿者いわく「コンクリートの色からして、かなり古いものでは?」と…。お待たせいたしました。数年の時を経て謎を解明です。

 

 

黒瀬ダム管理事務所の職員の方に確認したところ、「ダム建設時のそうこうろの跡のようです」とのお答え。

「ソーコーロ?」初めて聞く言葉の説明を受け、なんとなく理解。いろいろと調べて、まとめてみました。

そうこうろは「走行路」と表記し、ダム建設の移動クレーンの軌道。現在のダム写真にイラストを挿入して図解(下記写真)すると、ダム右岸側に固定クレーン、左岸側は資材を下ろす位置に合わせ、左右に移動するクレーンを設置。両クレーンにケーブルを渡し、資材を吊り下げていました。その軌道が敷かれていたものだと思われます。

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資料写真(1)は昭和27年頃の走行路のクレーン。(黒瀬ダム建設時のものではありません)軌道(線路)が確認できます。

 

 

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資料写真(2)は、ダム完成から2年後、昭和50年の航空写真。走行路の長さは約100m。走行路の西半分が谷になっているため橋桁を作り、その上に走行路を設置しているのがわかります。

 

 

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黒瀬ダムの完成は昭和48年。あれから約半世紀、建設時に活躍したであろう走行路は、ダムサイト右岸側から今でも確認でき、緑に包まれ眠っています。

資料写真(1) 出典 : 東北地方整備局ホームページ 田瀬ダム アーカイブマップ5  http://www.thr.mlit.go.jp/kitakato/dobokuisan/img/pdf/amap/amap_tase_05.pdf
資料写真(2) 出典 : 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス